学習院大学大学院 自然科学研究科
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ます。昨年には、電子情報通信学会エレクトロニクスソサエティ主催の量子情報技術研究会で研究成果を発表し、学生発表賞を受賞することができました。私の所属している研究室では、研究活動の一環として、発表に関しても(謙遜ではなく)初歩から手厚い指導を受けられます。外部からも興味深いと感じてもらえる研究に挑戦でき、また、専門的な内容を人に伝える能力も培える環境は非常に魅力的だと思います。私自身は、手厚い教育の学習院大学だからこそ成長できたと考えています。修了後はIT系の民間企業に就職する予定です。学習院大学で得た力をベースに邁進します。に宇宙や物理学に興味を持つ仲間と、同じ目標に向かって勉強出来たことが、とても嬉しかったです。昨年はKEK(大学共同利用機関である高エネルギー加速器研究機構)が企画しているサマーチャレンジに応募し、運よく選出され、全国の大学から集まったメンバーと筑波で研究合宿に参加しました。この経験は自分が研究をしたいという想いへより近づけた大きな出来事だったと思います。将来は、大学や研究機関で研究を続けたいですが、企業に入社して宇宙に携われる仕事があるなら、それも楽しそうだな、と考えています。1990年 3月 学習院大学理学部卒業1995年 3月 東京農工大学大学院博士後期課程修了1995年 4月 東京大学大学院理学系研究科大学院研究生1995年10月 科学技術庁航空宇宙技術研究所科学技術特別研究員1997年10月 航空宇宙技術研究所研究員2004年 4月 青山学院大学客員准教授(連携大学院方式)を兼務2013年10月 国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構       航空技術部門 研究領域主幹2018年 4月 学習院大学理学部客員教授に着任【業務等】航空機の摩擦抵抗を低減するため、境界層の層流-乱流遷移の研究に従事。「次世代超音速機技術の研究」プロジェクトでは2005年10月に実施した小型超音速実験機の飛行実験で主翼の性能実証を担当。2009年度から流体力学の講義を担当。【受賞等】第10回「空を愛する女性たちを励ます賞」(社団法人 日本女性航空協会)DEPARTMENT OF PHYSICS | 08自分の視野が広がった、3年間。私は幼い頃から漠然と神秘的な宇宙に興味がありました。そして高校2年生の時に、学校に来てくださった国立天文台の天文学者の講義を聞いたのがきっかけで、さらに興味が深まり物理学科へ進学することを決めました。進路を決める際、他の大学の物理学科も検討をしていましたが、父から「学習院大学なら他学部と同じキャンパスだから、視野が広がるよ」とアドバイスをもらい、学習院に決めました。アドバイスの通り、文系も含めワンキャンパスのため、教職の授業や部活を通し他学部の人たちと話す機会が多く充実しています。また、物理学科の中では、私と同じよう高い熱量をもって、研究に熱中できる場所。学習院大学理学部は比較的少人数なため、友達ができやすく、縦のつながりも持ちやすい環境です。同級生とは講義、演習、実験で毎日のように顔を合わせ、気がつくと遊ぶ時も一緒にいます。学年を超えて交流するイベントもあり、物理の疑問を聞いたり、授業、研究室について信用度の高い情報を仕入れたりできます。ゼミでは量子光学について議論することが多く、講義も量子や計算機に関係する内容のものを優先して履修しました。好きなものにより熱中でき、近い専門分野を研究されている同世代の方々と、時間に縛られずに熱く議論できるのは、大学院ならではの魅力だと感じ物理学科の最大の魅力は先生と学生との距離が近いこと。学問の知識だけでなく、問題に立ち向かう姿勢やプレゼンテーションの準備などについても、少人数教育のなかで丁寧に(時には厳しく)指導してもらったことを覚えています。社会に出てから、そういう教育の重要性をますます痛感しています。今は後輩たちに「流体力学」を講義していますが、「考える大切さ」を感じてもらうよう心がけています。研究のレベルは驚くほど高く、同規模の私立大学の中では群を抜いています。メンバーのうちの何人かは、分野のリーダーとして世界的に知られる研究者です。 物理学科3年生物理学専攻博士前期課程2年生物理学科卒業生

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