
化学は自然界のさまざまな現象や、
暮らしの中に存在する物質に注目する発見と創造の学問。
化学の原理と伝統的な手法を土台として実験による試行錯誤を繰り返しつつ、
新しい発想や発見ができる柔軟な頭脳を育てます。
【有機化学】【無機化学】【物理化学】【分析化学】
【構造化学】【高分子化学】【環境地球化学】
【エネルギー化学】【化学英語】
高校生の頃、勉強していて楽しかったのが化学で、大学も化学科へ進もうと考えました。学習院大学に入学してからは、1〜2年生で主に基礎的な学習をメインに学び、2年生の後期から学生実験を行えるようになってきます。元々、実験が好きなので今やっと実験がメインの学習内容になり、より楽しさを感じています。実験では多い時で6名1チームになり、時にワイワイ相談をしながら作業を進めます。周りの友人と話し合って、助け合ったり、先生方に助言を求めたりして進めていきますが、うまくいかない時もあり、根気のいる作業です。
学習院大学は、山手線の駅から徒歩すぐという立地で緑も多く、設備も綺麗なので、煮詰まった時の息抜きには事欠きません。新しくできた図書館は建物全体がホテルのラウンジのような雰囲気で、一人で集中して行う学習はもちろん、友人と相談しながらの学習にも、うってつけの環境です。
周りの人と環境に助けられながら、思い切り実験できることで、今はとても充実した学生生活を送ることができています。今後はやはり大好きな実験を続けていけるよう、大学院進学を考えています。
現在、狩野研究室にて有機化合物を合成し、その性質を調べる研究を行っています。
少し専門的な内容になりますが、具体的には、ナフタレンの1位の炭素をリンに置き換えた化合物である、無置換1-ホスファナフタレンの合成に世界で初めて成功し、その反応性についての研究を進めているところです。まだ誰も合成したことのない新規化合物の合成に挑戦するという点に一番興味を惹かれて研究を始めました。また、その新規化合物の構造は実は非常にシンプルなのですが、それにもかかわらず何故合成されていなかったのかという疑問も興味を持ったきっかけの一つです。
今は実験の日々ですが、何度も失敗を繰り返しながら実験していき、うまくいったときの達成感は何とも言えないものがあります。また、大学院に進んで良かったことの一つとして、学会への参加機会が増えたことがあります。学会では、普段会えないような方々とも意見を交換し、多くのことを学び、成長することができました。
将来は、現在の研究の経験を活かして材料系メーカーの研究職に就ければ、と思っています。実際に”材料系メーカー”のインターンに参加させていただいて、研究職が性に合っているなと感じました。
現在、株式会社資生堂でスキンケア製品のフォーミュレーター(処方開発)をしています。世の中の人がいつもの自分より、少しだけ勇気を持てるような「ものづくり」がしたい、という想いから化粧品業界へと進むことを決めました。
在学中の印象的な出来事としては、博士前期課程の時、スペインのバレンシア大学に3ヶ月間ほど研究留学をしたことです。日本語が全く通じない環境で最初は苦労することばかりでしたが、現地の学生や教授とともに研究することで、多様性やグローバル性など、社会に出る上で大事なことをたくさん学ばせていただきました。この経験は今でも、私の人生の中で一二を争う大切な財産となっています。
また、教授陣は著名な方が多いので、国内にいても海外から様々な分野の教授が講演に来てくださり、日々学びと刺激に溢れた学生生活でした。
有機化学は、結果が出なくてもめげずに計画を立てて実験をし続ける、という地道な分野なのですが、あらゆる方法を考える思考力や、効率よく実験を組み立てる能力など、社会に出た今でも役立つ、重要なスキルが身についたと思っています。